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第17章 １７

　由里絵の尻が跳ねないための“重石”として、洋平がそこに左手をのせた当初、その五本の指は全て右のほうを向いていた。

　だが、たった今洋平は、その指先を全て――時計回りの方向で――九十度回転させた。

　そうやって――自分の顔の方向に向けたうえで――ゆっくりと手前に滑らせる。

　程なくして――五本のうち、真ん中にある――中指の指先が、由里絵の尻の谷間に潜り込んだ。

　その瞬間、由里絵は――彼の中指の目指す先が、自身の肛門だと気が付いて――一気に焦燥を募らせた。

「ダ、ダメ――ッ！？」　

　挙げ句――また“四つん這い”の肉体を細かく震わせながら――必死に洋平を制する。

「お尻の穴は、ダメッ！？　ダメだってばっ！？　ダメッ、ダメダメッ！？」

　だが、由里絵の「ダメ」の連呼を聞いても、洋平がジリジリと滑らせる手を止めることはなかった。

　　　　　　　　　　☆☆☆☆☆

　やがて、その時がやって来た。

　まるで“真珠”のように滑らかな洋平の指先が、由里絵の「肛門」という“台座”に据えられた。

　刹那、由里絵は、先ほどまでの「ダメ」の連呼を「いや」に切り替えて、叫んだ。

「いやぁぁぁ……」

　しかし、その悲鳴が終わるよりも早く、洋平は由里絵の肛門への愛撫に取り掛かかっていた。

　時として「一秒に三回」、時として「一秒に一回」、また時として「二秒に三回」といった感じの『変拍子』の“律動（リズム）”で、由里絵の肛門をツン、ツンと突く。

　が、そんな愛撫が始めってからも、由里絵はしばらくの間は、やはり「いや」を連呼していた。