この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
お嬢様の憂鬱(「ビスカスくんの下ネタ日記」サイドストーリー)
第10章 痛みの問題

「ビスカス」
「へ……はいっ!」
「ローゼルを、部屋に連れて行ってやって頂戴」
「へ」
「ローゼル」
「はい、お祖母様」
「リアンには、私達から話をするわ。その間、席を外していて頂戴」
「……はい……」

 承った頼みに頭が追い付いていないらしいビスカスと頬を染めて目を伏せたローゼルを見た大奥様は、孫娘に優しく微笑みました。

「安心なさい。もう、無理はさせませんよ。……ビスカス?」
「はいっ!?」

 ビスカスにとって、大奥様は半ば雲の上に居る様なお方です。その大奥様に二度も名を呼ばれたビスカスは、かちんと固まりました。

「ローゼルを、宜しくお願いしますよ。……頼むわね」
「……畏まりましたっ!」
「あ」

 ビスカスは大奥様の頼み事を忠実に実行するために、ローゼルを両手で横抱きに抱き上げました。部屋に連れて行けと言われたからといって、抱き上げなくてはいけない訳では有りません。抱き上げられたローゼルは一瞬びっくりしましたが、ビスカスが今までに無いほど緊張している様子を見て、くすりと笑ってぎゅっとビスカスに抱き付きました。

「お嬢様。今から、お部屋にお連れ致しやす。しっかり掴まってて下せぇよ」
「ええ、ビスカス」

 ローゼルはビスカスの揺るぎない体に身を預けて、薔薇の蕾が綻ぶ如く、柔らかく匂い立つ様に微笑みました。
 こうして、彼女の護衛が彼女の元から離れた事でもたらされたローゼルの憂鬱な毎日は、この時に、永遠に終わりを告げたのでした。



 その後、この二人が、どうなったのかはーー
 また別のお話として、ビスカスが語ってくれる筈で御座います……。
           
【おしまい→「ビスカスくんの下ネタ日記」第15章117ページに続いております(_ _)】
/54ページ
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白いエモアイコン:共感したエモアイコン:なごんだ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ