この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
お嬢様の憂鬱(「ビスカスくんの下ネタ日記」サイドストーリー)
第2章 仕方のない問題

     *     *     *

「全く、お前は……あいつなら、何でも言うことを聞くと思ってるんだろう」
「苦し紛れの策で何とかなる様な事では無いぞ。だから前々から見合いをしろと言っていたのに」
「お前の気持ちは分からないでも無い。だが、いつまでも子どもで居られる訳では無いのだよ。今回の出来事は良いきっかけであろう」

 刺されたビスカスが手当てを受け、領主一家が今後の方策を話し合って居た時。
 近々後継に据えられる事になり、家の為に一刻も早く結婚しろと命じられたローゼルは、ビスカスを婿に取ると父親と兄達に告げました。
 そう口にした途端に全員が、反対にすらならない様な、呆れ返った話すぎて話にならない、という反応を返して参りました。ローゼルは、適当な事を言うなだの真面目に考えろだのと口々に言われても、違う、本気だ、ちゃんと約束していると、首を振り続けました。

「皆様。少し、宜しいでしょうか」

 話が行き詰まって一同に疲れが見えて来た頃、サクナと共に話を傍らで聞いていたクロウが、控え目に口を挟みました。

「何だ」
「ローゼル様のおっしゃっている事は、決してその場しのぎでは無いと存じます」
「何っ!?」
「ビスカスが気を失う前に約束された、とおっしゃっておられましたね」

 クロウに問われたローゼルは、頷きました。

「私は、ちょうどその場に駆け付けて居りました。その際、お二人のご様子を見ております」
「何だって」

 一同に向かって、クロウは驚くべき一言を放ちました。

「声は聞こえませんでしたが、お二人は、接吻なさっていらっしゃいました」

「何っ!!ローゼル、それは本当か?!」
「……本当ですっ……」

 父親に驚愕の表情で問われたローゼルは、真っ赤になって俯きました。

「待て。接吻は、同意の印にはならないのではないか」

 ローゼルの長兄がそう言うと、浮き足立っていた一同は、それもそうかと落ち着きました。
 確かに、口づけしていたからといって、必ずしもお互いが好意を持っているとは限りません。どちらかが一方的に口づける事も、出来ない事では無いからです。女からというのは珍しい事かもしれませんが、この場合の女というのは、ローゼルです。領主一家もその場に居たサクナも、ローゼルならばやりかねない、と思ったのです。
/54ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ