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逆転 (大人の教育をしてやるよ!)
第2章 くちヅケ



ー翌日ー


紅葉は重い足で学校に行き校門を通る。
教師は生徒より早く学校に着かなければならないのでまだ登校している生徒は少ない。
昨日と同じように、体育館やグランドから運動部員達のかけ声が聞こえた。


運動部ということは…


紅葉はある事が気になりグランドへ歩く。

グランドにはサッカー部や陸上部など部員達が筋トレやランニングをやり、慌ただしかった。

近くのテニスコートでは男子、女子と別々のコートで玉打ちやボール拾いをやっていた。

そして…

ランニング場の奥には野球場があり、野球部が練習をしていた。

野球場に少し近づくと…


『アッ!?』


ジャージ姿の陽介を見つけた。

陽介はグローブを左手にはめボールを投げる。


ーパシッ!…

「ストライクッ!」

『…ッ!?』


陽介が投げるボールは速かった!

それだけでなく綺麗なフォームだった!

楓から野球部の特待生だと聞いていたが…

紅葉は驚きながら陽介を観ていた。


「あれっ安比奈先生!?」

「!?」


突然後ろから声をかけられて紅葉は驚き振り向く。


「若林先生っ!?」

「おはようございます。安比奈先生」

「おっおはようございます!若林先生、なぜここに!?」


紅葉に声をかけてきたのは、昨日校内を案内した若林先生だった。
若林は青のジャージに首にストップウォッチをかけて左手にサッカーボールを持っている。


「ハハハ、俺、サッカー部の顧問なんですよ。サッカー部員の朝練を観ているんですよ。」

「そうなんですか…」

「そういう安比奈先生は?」

「わっ私は…ちょっと見学に……」

「そうですか。ウチの運動部はレベルが高いですからねぇ。ぜひ見学して下さい!なんなら案内しましょうか?」

「いっいえっ!!…サッカー部の邪魔になるので!」

「邪魔だなんてとんでもないっ!むさ苦しい所に華ができて部員達も捗りますよ!」

「そ…そうですか?」


爽やかに頬笑む若林に紅葉も話を合わせながら軽く頬笑む。


「……………」




その様子を鋭利な刃物のような視線で狼が見ていた


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