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性歓寄宿舎【天使編】
第1章 憑依
「あの子にしよっと!」
天使ちゃんであるルミちゃんは、叫んだ。

雲の上からはるか下、地上の道をとぼとぼと歩く、一人の女子。
中学生の夏の制服を着ている。
背は、ちっちゃい。それで細身。胸には、2年1組と、名札。
中2にしては背がちっちゃく、まるで小学生。
顔は、まあまあ可愛らしい。髪はショートヘアで、ボーイッシュ。
しかし、顔の表情は、とても暗い。
それもそのはず、つい先ほどまで同級生の女子数人に囲まれて、いじめられていた。
「おい、テメエ、何とか言えよ。この無口オンナ!」
痛めつけるその声が、彼女の耳に痛々しくこびりついている。
ひじやひざがすりむけて、血がにじんでいる。顔にも少し傷がある。
彼女の名前は、志藤流美(シドウ・ルミ)といった。

しゅぽっ!

それは、一瞬のことだった。
流美のカラダの傷は、一瞬にして完治。
「よし、成功したネ!さあ、男子とエロざんまいしよ。楽しみ楽しみ」

しかし、天使ルミちゃんが気をゆるめた瞬間、しゅるっ!と変な音がした。
「え?なに?」
流美が、目を覚ました。
<しまった~~~。憑依が解けちゃった~~~>
しかし、天使ルミちゃんの魂は、雲の上に飛んで行かない。
<あれっ?これは、おかしいよ~。あれ?あたし、天上に帰れない?どうしよ?どうしよ?>

流美は、何事もなかったかのようにするすると帰宅していった。
その流美の頭上の辺りに、天使ルミちゃんの魂がふらり、ふらりとまとわりついていた。
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