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性歓寄宿舎【天使編】
第1章 憑依
「え」
流美は、部屋のベッドに腰かけ、ふと自分の腕や足を見て、驚いた。
「傷が、治ってる」
頬にも傷をつけられていたはずだが、ちっとも痛くない。

そのとき。
「ねえ!鏡!鏡を見てよ!」
とキンキンのかん高い声が、ルミの頭上からした。
「え?だれ?どこ?」
「誰でもいいから、鏡を見て!」
かん高い声が、命令してくる。
いじめられたトラウマで、幻聴をきたしたかとルミは呆然。
その声に従い、流美は手鏡を取り出し、顔を映した。

しかし。
そこには、流美の顔しか映っていない。
「よく見て!右の…、あなたから見て、右の耳の耳たぶを!」
流美が目を凝らしじーっと見ると、その耳たぶの上に、小さな人影が。
よく見ると、まるで天使のように翼のあるミニミニな高さ5センチくらいの自分と同じくらいの年代の女子が、耳たぶの辺りに浮かんでいる。

「わたしの姿、見えた?」
ミニな女子が語りかけてきた。
「うん、見えた」
「わたしは、ルミよ!通称、天使ちゃん」
天使ちゃん?
「わけあって、あなたのカラダをときどき借りるからね!心配しないで。あなたがぼうっとしてる時か、寝てるときだけだから。あなたは、今まで通り日常生活してちょうだい。ただ、夏の寄宿舎に行くこと!あなた、成績学年トップでしょ?資格クリヤしてるはず」

…。
って、寄宿舎なんか申し込むつもり、ない。だいいち、自分には友だちがいないし。行っても、寂しい思いをするだけ。
流美がそう、心に思うと。
「あ、あの寄宿舎じゃなくて、国立寄宿舎のほうだよ」
え?わたし、それ、選ばれてないけど…。
「選ばれるように仕組んであるから。今夜あたり、メールが届くはず」

国立寄宿舎は、選ばれた男女が参加し優秀な受精遺伝子を国家に提供する施設である。つまり、男女が日夜セックスに励み、中出ししまくり、受精卵を量産するエロ施設。

流美の股間が、心なしかジュワ~~と濡れた。流美の口から、よだれが溢れた。
いつのまにか、かん高い不思議な声は消えていた。
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