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SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第9章  決別の決心


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 翌朝は私が作った朝食を摂り、和哉は仕事へ。
 もう昔の自分を忘れると、改めて決意した。事実は消えないが、忘れることは出来るはず。
 彼の傍にいれば。
 一通りの家事を済ませ、和哉を玄関で出迎える。
 そんな、普通の幸せ。
 まだまだ未熟な手作りの夕食を摂り、水割りとビールにつまみの用意。これだけは、毎晩のことになりそうだ。
 テレビを観て笑い合うことだけで、幸せを感じる。
 全て打ち明けて、良かったのかもしれない。そう思いながら、ビールを口にする。
 平日に呑んで大丈夫な量も、自分で解ってきた。
 以前よりは弱くなったが、これからまた、強くなるかもしれない。
「おかえりなさいっ!」
「ただいま……」
 キスと笑顔で出迎える。
 あの夜の告白から、1週間が過ぎた。
 全て話したせいか、自分でもスッキリしている。
 隠したまま一緒にいたとしたら、まだ引きずっていただろう。
 何度も思った通り、過去は変えようがない。それでも、また生まれ変われる。


 この前の休みに、和哉が持っているマンションを見に行った。
 思わず、「凄い……」と口にするくらいの、10階建ての高級マンション。
 両親の遺産で、建てたそうだ。
 ここを無料で貸してくれようとしていたなんて、呆れるくらい優しすぎる。
 家賃収入が凄いだろうと思ったが、税金を引かれるからそんなに残らないと言っていた。だが、彼の“そんなに”は、私と感覚が違う。
 金目当てではないが、本当に金持ちだと思った。
 本当に、こんな私には勿体ない人。
 今度こそ、もう2度と哀しませないと心に誓った。


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