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SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第10章 辿り着いた場所
その上結婚式をやるとしたらいくらくらいかかるのか、想像も出来ない世界。
「レンタルでいいのに……」
耳打ちしたが、彼は笑いながら首を振るだけ。
和哉と店員に勧められるままプリンセスドレスに決め、カスタマイズは私に訊きながらも、2人で決めたようなもの。お色直し用は膝丈の淡いブルーで、どちらもデコルテが大きく開いた物。
だがその場のパソコンで見たデザインは、私も気に入ってしまった。
採寸をしてから前金を払い、その店を出る。
「ありがとう」
「写真だけでも、梨香には、最高のものを、着て欲しいから……」
照れたように言うと、また可愛いと思ってしまう。
高級フレンチや高価すぎるドレスのことだけではなく、幸せに包まれている気がした。
5年前の私には、想像も出来なかった幸せ。
それを噛み締めるように、腕を組みながら街を歩いた。