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SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第3章  変わりゆく景色


 その後最初とペアを換えてからもう1度セックスして、やっと終了。
 体がだるくて、シャワーを浴びるのもやっと。
 着替えた私と麗華は、それぞれから約束の20万円を受け取った。
 支度をして、21時過ぎには呼んだタクシーに乗る。
「麗華さん。すいません。今日、休んでもいいですか?」
「えー。梨香ちゃん今日来ないのー?」
 太目の客の声。
「疲れただろうな……」
 細身の客にも言われ、頷いて見せた。
 この所、同伴やアフターのスケジュールが多い。日曜は店が休みだが、それまで体が持ちそうになかった。
「でも……」
 麗華の言葉を遮り、太めの客が話し出す。
「支配人に言って、無理矢理にでも、梨香ちゃんに指名は入れとくから。そうしなきゃ、帰るって」
 太目の客は、かなり私を気に入った様子。だが、暫く4Pはしたくない。出来ることなら、もう2度と。
「大丈夫だよね? 麗華ちゃん」
「あ、はい……」
 麗華は、何となく歯切れが悪い。
 タクシーで1度寮の前まで行き、私だけが降りる。みんなに心配されたから、笑顔を見せた後エントランスへ入った。
 もう限界。
 そのままベッドに俯せる。
 ここへ来てから、何人の客と寝ただろう。もう、覚えていないくらい。
 都心でこの寮くらいのマンションを借りるには、敷金や礼金、引っ越し代を入れれば100万近くの金がかかる。あまりみすぼらしい所へは住みたくない。客に送ってもらう時、恥ずかしい。
 キッチンはあっても、電化製品や家具は1から揃えなければ。
 ネットで知ったが、店に近いマンションだと家賃も高い。店から離れれば安くはなるが、その分往復のタクシー代がかかる。出勤時は電車でとも考えたが、何度か乗り換えして、最寄り駅から20分近く歩かなければならない。帰りは、電車も走っていない時間。
 最初は体力の消耗だけだったから、若さで何とかなった。だが段々と、精神的にも疲れてくる。
 今の年齢では、他の店で雇ってもらえない。もうすぐ16歳になるから、あと2年。
 2年経てば、まともな店に移れるのに。
 それが、果てしなく長いように感じる。
 今日は余計なことを考えずに、ゆっくりと休もう。
 そう思い、目を閉じた。


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