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SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第3章 変わりゆく景色
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
窓からの明るさを感じて目を開ける。
壁の時計を見ると、9時。
何時間寝たのだろうと、指を折って数えた。
すっきりした気分。
出来れば、週に1日くらい店を休みたい。だがそうすれば、給料が減ってしまう。
シワになった服を脱ぎ捨て、シャワーを浴びる。
普段着はいいが、出勤時と店で着る服は、全てクリーニング。頼めば週末に店で出してくれるが、その代金も馬鹿にならない。
ドレスや靴。アクセサリーにバッグ。その他を合わせると、店で働くには思っていた以上に金がかかる。
今日も同伴。約束は15時だから、まだゆっくりする時間はあった。
来週の金曜日は、私の誕生日。
客からプレゼントがもらえるなら、今日からもっと宣伝しなければ。
何をくれるのかは解らないが、多分ブランド物などだろう。私からすれば、現金の方がずっといいのに。
ぼーっとしていると、時間が経つのが早い。
今日の待ち合わせは、店の前。その方が近くて楽だから。
雑居ビルには、色々な呑み屋が入っている。ビルの前で待ち合わせても、これからセックスをしに行くと決めつけられはしない。
着替えて髪を真っ直ぐに整え、寮の部屋を出た。
「梨香ちゃん、おはよう。同伴? 昨日休んでたよね。大丈夫?」
廊下で話しかけてきたのは、隣の部屋の亜由美(あゆみ)。店でのように、寮であった時も「おはよう」というのが決まりごとのような感じだ。
「おはようございます。はい。これから、店の前で」
「それいいなぁ。近くて。私は、駅前なの。ちょっと遠いじゃない?」
確かに、ヒールで歩くには遠い。
雑談をしながら一緒にエレベーターに乗り、最初の角で別れた。亜由美さんもこれから、セックス込みの同伴だろう。
店のみんなが同じだと思っても、実際に会うと少しホッとする。
私だけではない。
そう思うことで、罪悪感が減っていくのかもしれない。
店の前に立っていると、少ししてタクシーが停まった。
「梨香ちゃん。乗って?」
「はい」
今日の同伴相手。
入店して1ヶ月くらいだから、まだいつも初めて寝る人ばかり。
イタリアンをワイン付きのコースで食べてから、当たり前のようにラブホへ向かった。