この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第3章 変わりゆく景色
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
この1週間は、客を誕生日に誘うことに専念。
当日の金曜は、同伴を入れずに開店から店へ行く。
電話もして、今日来てくれると言われたのは20人以上。折角だから、同伴で時間を潰したくなかった。
「おはようございます! えっ。綺麗……」
入口から待機用のソファーの方まで、たくさんの鉢植えが並べられている。
「梨香さん、おはよう」
支配人が、既に忙しく動いていた。
「何ですか? この花」
「えっ? 知らなかったんだ? 女の子の誕生日には、お客様が、花を贈ってくれるから。これは全部、梨香さんへ届いた物だよ」
「ええっ!? 私に?」
驚いて口を押さえたままの私を笑い、支配人は客席の方へ行こうとする。
「あっ、梨香さん。既に、指名が3つ入ってるからね。今日は忙しくなるよ」
「はい……」
嬉しいより、信じられないという思いが先に立つ。
だがよく見ると、鉢に立てられた板や外側には、“梨香さんへ”とある。全てに、覚えのある客の名前も書いてあった。
数えてみたが、20までで解らなくなってしまう。その倍はあるだろう。
「おはようございます。あら、梨香ちゃん。おめでとう。凄いわね」
出勤してきたのは、麗華。花を見て、ニコニコしている。
「誰かの誕生日は忙しくなるから、同伴は入れずに、早く来たのよ。手伝うからね」
「ありがとうございます」
「ほら、急ぎなさい?」
頷いてから更衣室へ行こうとすると、手前の待機ソファーには、この時間にしては女の子が多い。
「梨香ちゃん、おめでとう」
口々に言われ、礼を言ってから更衣室へ入る。
花を贈るなど、全く知らなかった。
後から来た麗華が、着替え始める。
「梨香ちゃんも、早くしなさい? お客様が、待ってるわよ。今は、代わりの子が着いてるはずだけど」
「はい」
私も誰かの誕生日の時は、同伴を入れず早く出勤しようと思った。そのためには、みんなの誕生日を聞いておかなければ。
そう考えながら置いてあった白のドレスに着替え、今日買ってきたレースの手袋とポーチを持った。髪には、花のアクセサリー。
全身真っ白で統一。
「梨香ちゃん。凄く可愛いわよ。行きましょう?」
麗華と一緒に、急いで更衣室を出た。