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SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第3章 変わりゆく景色
約束した客が次々とやって来て、多くの席で指名。お祝いにと、高いボトルやシャンパンを注文してくれる客もいた。
そして殆どの客がプレゼントをくれて、中を見て喜んでからフロントに預けに行く。
「梨香さん、凄いですねえ。プレゼント、山積みになってますよ?」
フロントにいた黒服が、驚いている。
今日の全ては、私がここまで頑張って来た証。
連日、同伴とアフターの日も多かった。新人としては、そうやって客を掴むしかない。
「梨香さんを、お借りします」
今日はもう、何度その言葉を聞いただろう。
着いたのは1番奥の席で、4Pをした客達と麗華がいた。
「いらっしゃいませ」
麗華と入れ替わり、頼んでおいてくれた高級シャンパンで乾杯。
シャンパンは氷の入った入れ物にあったから、冷たいまま。
「梨香ちゃん。おめでとう。今日は忙しいから、あんまり着けなくても、気にしなくていいよ」
太目の客が、笑顔で言う。
「ありがとうございます」
いきなり、店内が薄暗くなる。
「時間か……」
細身の客が呟く。
ホールの前の方を見ると、運ばれてきたのはシャンパンタワー。ホストクラブについての番組で、見た事がある。
黒服に呼ばれ、タワーの横に立った。
「梨香さん。お誕生日、おめでとうございます!」
支配人と黒服が、手にしていたシャンパンを注ぐ。今呑んでいたのと同じ、高級シャンパン2本。
スポットライトが当てられ、流れ落ちるシャンパンが綺麗だった。
女の子や客の拍手も起こり、全てが注がれる。
「ありがとうございます!」
挨拶をしてから、席に戻った。
シャンパンタワーは一度さげ、グラスが他の席の客にも振舞われる。
「ありがとうございました」
席の2人にも頭を下げた。シャンパンを注ぐ前に言われた名前は、この席の2人。
あれがいくらするのか、想像もつかない。後でこっそり、支配人に聞いておこう。
「はい、プレゼント。気に入って、もらえるかな?」
太めの客が、大きな紙袋を差し出す。紙袋で既に、高級ブランドのものだと解った。
「ありがとうございます。……わぁ、素敵」
ラッピングを開けて中を見ると、紙袋と同じブランドのバッグ。
「俺からも……」