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SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第4章 不思議な感情
私の誕生日で客が多かったせいで、昨夜の営業は、1時間伸ばして3時近くまで。
花やプレゼントを運ぶのにタクシーで何度か往復し、支配人や黒服達にも手伝ってもらうしかなかった。
昼近くに起きた今、部屋は花やプレゼントでいっぱい。玄関からベッドまでが、獣道のようになってしまっている。
「はぁ……」
プレゼントは全部開けて、付箋を貼り直してクローゼットに片付けなければ。花は寮の子達に、昨夜のお礼として渡せばいいと、支配人から聞いている。
確かに昨夜は、指名でもない席をみんなが手伝ってくれた。私にとって邪魔な花は、後でみんなに持って行こう。
花に興味の無い私は、すぐに枯らしてしまうだろう。現金なら残るのに、とまた考えてしまった。
店用の電話が鳴り、見ると瀧澤から。登録してあるから、表示で解り急いで出る。
「はい」
《あの……。瀧澤です。昨夜は、ありがとう……》
礼を言うのはこっちだと思いながら、話を続けた。
「時間と場所、決まりましたか?」
《えっと……。16時に、店の前で、いいかな?》
16時ということは、勿論、セックスの時間を考えてだろう。少し遠出の食事でも、時間はたっぷりある。
「大丈夫です」
《良かった……。じゃあ、後で……》
「はい」
それだけで、通話は切れてしまった。
解っていても、セックスと瀧澤のイメージが合わない。だが、男はみんな同じ。優しげに見えても、結局はセックスがしたいだけ。
16時までは、時間がある。
私は一度普段着に着替え、花を渡して回ることにした。
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
配っても、残った花は半分以上。それは部屋の隅にまとめ、セオリー通り、瀧澤からのプレゼントのバッグを持って寮を出る。
店の雑居ビルの前では、もう彼が待っていた。
「ごめんなさい。遅くなって」
「いや……。僕が、早く、来すぎたから……」
こうして会うと、思っていたより背が高い。156cmの私より、20cm以上は大きい。
「瀧澤さんて、身長は?」
「僕は、182cm。独活の大木(うどのたいぼく)、だね……」
照れたように笑う。