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SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第4章 不思議な感情
瀧澤が、通りかかったタクシーを止める。
やっと着いたのは、横浜の中華街。高速の乗ると思ったら、こんな場所まで来るなんて。
1時間近くかかってしまった。
「個室を、予約しといたから……」
歩き出す瀧澤の後を着いて行くと、いかにも高級そうな中華料理店。
通された広い部屋の中央には、お馴染みの丸テーブルがある。
「コースで、いいかな? 他に、食べたい物があれば、別に、注文も出来るから……」
「はい」
広い丸テーブルに向い合せで座るのが、少し不自然に感じた。
入って来た時に見回したが、勿論ベッドなど無い。
コース料理を食べてから帰りの時間を考えると、ラブホにいる時間が短くなってしまう。
中華のコースは、回転テーブルがいっぱいになるまで運ばれてきた。
「いただきます」
「どうぞ……」
話しかけても、会話は続かないまま。「美味しい」と喜んでも、瀧澤はニコニコしているだけ。
それでも、何故か居心地がいいと感じた。自分でも、理由は解らない。
特に中華料理が大好き、ということでもない。私が知っている中華料理と言えば、ラーメンや餃子の類(たぐい)。
北京ダックなど、初めて食べる。だがテレビで観たように、上手く包めたと思う。
「瀧澤さんは、どんな内容のお仕事をしてるんですか?」
「普通の、ことだよ……」
普通とは言っているが、絶対に大事な内容なはずだ。名刺にあった会社名は、知らない人がいないほどの大会社。電話をする前によく見たら、システム部の課長と書いてあった。
「梨香ちゃんは、昨日で、19歳になったんだよね……。僕より、15も下なんだ……」
ということは、瀧澤は34歳。本当は、18歳差だが。34歳で大会社の課長というのは、凄いことだろう。詳しくは、解らないが。
「でも、梨香ちゃんは、もっと幼く見えるね」
年齢は信じているのかもしれないが、この後セックスをするはず。そのための、豪華な同伴だ。
優しく見えても、瀧澤だって他の客と同じ。客はみんな、若い子とのセックス目的で、うちの店に来る。
だが今は、若いことを武器にするしかない。