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SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第5章 店の裏側
段々と、同伴やアフターを減らしている。そうすると断った客は、別の子を指名するようになっていく。
だが、構わなかった。私は、変わろうとしている。
瀧澤の好意を受け入れるには、それがけじめだと思ったから。
「おはよう、梨香ちゃん。最近、元気ないわね。何かあったの?」
更衣室で2人きりになり、麗華に小声で話しかけられた。
「そうですか? 何も、ありませんけど……」
「最近、同伴やアフター、断ってるでしょう? お客さんから、聞いたのよ」
ノックの音がして、ドアが開いた。中を覘かず、大声が聞こえる。
「麗華さん! 指名が3つ入ってますよ! 急いでください!」
「じゃあね。何かあれば、相談に乗るからね」
麗華が出て行った後、溜息をついた。
店の子に、相談出来ることでは無い。この店を、辞めようとしているなんて。
最近は、指名が多い女の子の繋ぎをやることも多い。
今日も繋ぎの席にいると、黒服に呼ばれる。また、別の席の繋ぎだろうか。
「ご指名だよ」
黒服に言われても、今はあまり嬉しくない。また同伴やアフターを断ろうか。それとも、たまには入れてみようかと迷う。
連れて行かれた席にいたのは、瀧澤と、以前タクシーで拾った木村。
「瀧澤さん。おじゃましまーす。木村さんも、お久し振りですね」
急に気持ちが軽くなる。
瀧澤となら、アフターをしてもいい。セックスがあっても構わないと思った。
「久し振りで、ごめんね。梨香ちゃん……。最近、仕事が、忙しくて。今日もさっきまで、仕事だったんだ」
木村も、苦笑ぎみに頷いている。
「もう1人、誰か、指名してくれるかな? 木村に……。梨香ちゃんの、仲がいい子で、いいから」
麗華に指名を入れてあげたいが、彼女は部長の指名。明菜は、同僚のお気に入り。被らせるわけにはいかない。もし一緒に来た時に、困るだろう。
「亜由美さんは、どうですか?」
寮の隣の部屋の子。隣だから割りと仲がいいし、若くて可愛い。
「ああ。まだ、知らない子だから。その子でいいよ。なあ、木村」
「はい」
木村は何となく緊張している様子。