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SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第5章 店の裏側
そこで働くなら、別の寮もあるそうだ。
支配人は私をその店に売りたがっていたが、私は泣いて嫌がった。
今の店より酷い。
それにそんな店に移れば、瀧澤に嫌われてしまう。
「梨香さん。どうするの? この先……」
事務室で、支配人と話しをしていた。
「もう借金は、返せる額じゃないだろう?」
「はい……」
声が小さくて、支配人に聞こえただろうか。
「あの店とか、同伴やアフターが嫌なら、他にも、いい所があるよ?」
「どういう、仕事ですか?」
それは大きな声で言った。
「それは、行き先によってだから。俺には、解らないなあ」
「行き、先?」
「オークションに、出るんだよ」
意味が解らない私に、支配人が説明してくれる。
「闇オークションがあってね。そこでお屋敷に買ってもらうんだよ。億単位でね。その半額はこっちに払われるから、闇金もちゃんと返しておくよ。それは約束するから」
もう、それしかない。
このままあがいても、借金が膨らむだけ。
「お願い、します……」
うなだれるように、頭を下げた。
「じゃあ、すぐに手配するから。今日はもう、店に出なくていいよ。どうせ指名も少ないし。明日の昼頃、店に来て。オークション関係の男を、呼んでおくから」
「はい……。失礼します……」
頭を下げて、事務室を出た。