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SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第5章  店の裏側


 瀧澤には、店を辞める準備をしていると言ってしまった。それが、嘘になってしまう。
 溜息しか出て来ない。
 同伴やアフターをしないと、自分で食事を摂らなくてはならなかった。自炊はしたが、それでも食費がゼロになるわけではない。
 店で着る服も、同じものの着回しでは済まなくなってくる。特に靴は傷も付く。自分で磨いて取れる物ではなかった。
 仕方なく服や靴を買うと、金はまたどんどん減っていく。
 誕生日に客から貰った物は、殆ど質屋へ売り尽くした。バッグのいくつかは持っていたが、出勤に困るから。勿論、瀧澤から貰ったバッグは大切に使っていた。
 取り敢えずまた、50万のバンス。だが、それは次の給料から一気に引かれ、給料がマイナスになった。
 分割にして欲しいとも頼んだが、給料がマイナスの子に分割は出来ないと言われただけ。
 だが、バンスだけはさせてくれた。それならと、毎月バンスを繰り返す。
 そうしているうちに、普通に働くだけでは、もう返せない額に膨らんでいた。
 指名も入らない。だから売り上げも少ない。売り上げがノルマに届かない分、またマイナスになっていく。
 たまに瀧澤が来てくれるが、何も言わず笑顔で接待する。
 暗い顔は、絶対に見せたくない。優しい彼のことだから、すぐに心配してくれるだろう。
 だが半年で、給料のマイナスは2百万を越えた。
 支配人に相談すると、もうバンスは出来ないと言われてしまう。3年働いても、返せる見込みもない。
 その代わり紹介されたのが、闇金融。
 仕方なく3百万を借りた。保証人は店。
 闇金は利子が高く、借金はまたどんどんと膨らんでいく。もう、完全に抜け出せない。
 テレビでは、そんな立場を観るだけだった。だが実際に自分がそうなると、その手の番組から目を背けてしまう。
 借金だけが膨らんでいく中、いつの間にか、17歳の誕生日。
 花は殆ど無く、瀧澤さんを含めた指名が、いくつかあっただけ。
 また支配人に相談すると、別の店に移ることを勧められる。そこは、店の中で売春をする所。
 支配人と見学に行ったが、狭い個室に風呂とマットがあり、1日に何人もの客と寝なくてはならない。
 いわゆる風俗。


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