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SWEET POISON「奴隷メイドオークション」番外編
第6章  新たな試練


 昼頃店に行くと、支配人がソファーから立ち上がる。
「あの……。これを、瀧澤さんが来た時、渡してください。お願いします」
 しっかりと封をした、封筒を差し出した。
 中には、“長くなるかもしれないけど、待っててください。梨香”と書いた便箋。
「ああ。瀧澤さんね。解った。約束は守るよ。君と違って」
「お願いします……」
 頭を下げた時、ドアが開いて男が入って来た。
 黒いシャツに黒いスーツを着て、黒いサングラスをかけている。
「来たか。この子が、梨香」
 支配人が言うと、男が近寄ってきた。
「結構上玉なのに、処女じゃないからな。出来るだけ釣り上げるよう、頼んどくよ。お前、本当はいくつだ?」
「え……」
 年齢制限でもあるのだろうか。
「正直に言え。若いほどいいんだから」
「17、です……」
「そうか。行くぞ」
 男が店を出ようとする。私は戸惑って、支配人を見た。
「寮には、まだ荷物が……」
「適当に処分しておくから。気にしなくていいよ。ほら、着いて行きなさい」
 それだけ言うと、支配人は奥へ行ってしまう。
 適当に処分。
 やはり、瀧澤からのプレゼントのバッグを持ってきて良かった。中には、最低限の下着や衣類が入っている。
 男に着いて行くと、店の前に停めてあった黒塗りの車に載せられた。後部座席の窓はスモークガラスで、外が見えるのは前だけ。
 ドアを閉めると、すぐに車が走り出す。私はバッグを抱きかかえて、横の男を見た。
「あの……。どこに、行くんですか?」
「それは教えられないし、知られたくないんだよ」
 そう言った男が、私の顔にタオルを押し付けてくる。
「ヤっ、んんっ」
 体を押さえられ、逃げられない。逃げると言っても、ここは車の中。
「んっ……」
 段々と、意識が遠くなっていく。
 それから先は、何も覚えていなかった。


 ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆


 カビ臭さに目を覚ます。
 少しだけ、頭が痛い。
 寝ていたのは、硬いベッド。体を起こすと、部屋の全貌が見えた。
 壁も床も天井も、コンクリートの打ちっぱなし。壁際には、古そうな椅子と机がある。小さな窓から光が差し込んでいたが、鉄格子で覆われていた。
 2つのドアがあり、恐る恐る開けてみるとトイレとシャワー室。


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