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契り【~初身世】
第1章 渡り橋




「どうしてですか?」


男性は動揺することなく、静かに少女に問いただす。

「…」

再び少女は黙り込み下を向く。

「それは…現世で二度も運命に見放されたから……ですか?」

「!」

「図星のようですね。今福線。」

「………」


少女は目を大きく開けて男性を見る。


「あなたは…?」

「私は死神です。この三途の川…221番地の監視官です。」

男性は軽くお辞儀をする。

「死神…」

「今福線、どうでしょう。4つの選択ができないならこの「橋」の管理人になってみませんか?」

「え?」

「この「橋」は現世と霊界を結ぶ渡り橋。今は未完成だと言いましたが、管理者がいないだけ。あなたがこうして「橋」にたどり着いたのも何かの縁です。どうでしょう?4つの選択ができないのなら、死神となって「橋」の管理人になり死者達の魂を導いてみませんか?」

「…私にできるの?現世に…人間達や路線達に見放された私に……?」

「それを決めるのは、君自身ですよ。今福線」


死神の男…弥勒は真剣な眼差しで今福線を見る。
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