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第5章 人魚

「義理風呂ってのは、その店の店長が他店のボーイに入浴をお願いすること。店の売上げのためにこっそりとサービス料金を女の子に払ってくれちゃうのよ。なのでワイは今日、入浴料だけで遊べるってわけ」イワオは、むふふっと含み笑いを漏らした。

いくらサービス料金が高額だとしても、結局客が一人もつかなければその日の給料は皆無なのだろう。

風俗嬢も楽な商売ではないのだ。

「へえ、そんな裏事情があるのですね。ソープの女の子も大変だ。……ということはイワオさんはこの業界の人なんですね」