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第7章 兄の彼女

「不満でもないし愛先輩は十分若いと思います。変更しようとした理由はそんなことではありません。目の前に現れた女性が知り合いだったから、ちょっと気まずいかなって思っただけで。それに……」

そこで言葉を止めると、「それに……なに？」と愛先輩が問いかけた。

智広が沈黙していると彼女はそのあとを続ける。

「もしかして、まだあのことが今でも気に掛かってる？」

無言をとおす智広に、だよねぇ、と愛先輩がため息交じりにいった。