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セックスと愛とフレグランス
第7章 兄の彼女
ふいに愛先輩は立ち止まり「ここよ」と扉を指差した。

ぐるりと周辺を見渡すが、自分は今、ビルのどの辺りに位置するのかは全く不明だった。

たぶん、置き去りにされたら迷子になってしまうだろう。

「305」と表示された扉へ向き直った愛先輩はノブを回し扉を開けた。

「どうぞ入って」

笑顔で入室を促す愛先輩のあとを追い、失礼します、と遠慮気味に足を踏み入れる。

意外に思った。

もっとイヤらしくエロティックな内装かと想像していたのだが、驚くことに室内は意外なほど普通であり狭小な印象を受けた。
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