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第7章 兄の彼女

別に、彼女自身も風俗店で働いているので隠すことはないのだろうが、愛先輩が彼の仕事内容を知ってしまうことによって佐目との接点ができてしまい、彼女と急接近することを恐れたのだ。

自分という人間は何とも心が狭いのだろう。

「シャークちゃん、かぁ……なんか懐かしいなぁ」

愛先輩は、目の前にあるテーブルラック上に置かれたグラスに目線を送っている。

だがその視線の先は、グラスを通り抜け、虚空を眺めているように見えなくもない。

きっと過去の自分に想いを馳せているのだろう。

「シャークちゃんもきっと、智広くんみたいに素敵な大人の男性に成長してるんだろうなぁ」