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第9章 泡姫

そんな誰もが持っているだろうイメージどおりなら、これから智広は全身に鞭を打たれ、ローソクでいたぶられるはずである。

はたして耐えられるだろうか――。

陸上競技では自らの身体を散々痛めつけてきた。智広に限らず、一流のスポーツ選手を目指そうとする人間ならマゾ気質を持っていなければ一流にはなれないだろう。

智広も例外なくマゾ気質であるし、自らもそう自覚していた。

だが、いくらマゾ気質な性格だとしても、痛みや熱さに対して耐性があるのかは甚だ疑問である。

身体に負荷をかける、という点では陸上もＳＭも同じかもしれないが、鞭で打たれる痛みやローソクを使っての熱さ、に関しては全く想像することができないのだ。