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セックスと愛とフレグランス
第3章 シャーク
現在の時刻は午後九時すぎ。
今日は休日ということもあり店内の客の入りは六割ほどだった。
それぞれの席は半個室なため最低限のプライバシーは確保されるし、自分たちの両隣の席は空席なため聞かれたくない相談にはもってこいである。
「もしかして別れた愛りんのことか?」佐目が上目遣いで訊いた。
彼は智広の元カノである勝見愛のことを「愛りん」と呼ぶ。
理由は、高校時代のかつてのマドンナであり憧れの先輩である「桐原愛先輩」に由来する。