この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第10章 しずくの薔薇

   *

「今度は、お嬢様連れてらっしゃいな。先代のお墓に報告するのは、その時までお預けね」
「へえ……」

 兄弟子にそう言われたビスカスは、曖昧に頷きました。まだ自分への不信感と迷いが、どこかに燻っています。
 とりあえずは、帰るに当たって兄弟子に御礼を言おうと、口を開いた時。

「師範」

 一人のがっしりした若者が、兄弟子に声を掛けました。

「ああ、お帰り」
「……お客様でしたか。大変失礼致しました。では、また後程」
「客じゃ無い。お前にとっては兄弟子に当たる奴だな」

(ふうん……相変わらず、生きの良さそーな若いのが居んだぁねー……)

 ビスカスは兄弟子の口調が変わった事や見た目から、目の前の若者の、おおよその立場や人となり等を推測しました。

「兄弟子……ですか?」
「兄弟子……って言うか、先輩ですかね?」

 訝しげに言う若者に、ビスカスは余所行きの口調で答えました。
 ここでは正式に兄弟子・弟弟子と呼ぶのは、同時期に在籍している者だけという慣例が有ります。ビスカスが去ってから入ったのなら、厳密には弟弟子ではありません。

「ビスカスです。どうぞよしなに」
「……こちらこそ、宜しく」

 若者は頭を下げる直前に、微かに鼻で笑いました。
 しかし、ビスカスはそんな事には慣れっこです。取り立てて気にも留めませんでした。

「では、兄……師範。色々、有り難う御座いました。俺は、これで」
「……ビスカス。」
「はい?」
「帰り掛けている所悪い。こいつと、手合わせしてやってくれないか?」
「……え。」

(ちょ、兄さん、何なんですか!?俺にさっさとお嬢様んとこに帰れって言ったなアンタでしょ?!)

「今、お前の様な奴が居ないんだ。お前の後輩にとって、貴重な機会だ。頼む」
「ぐ」

 兄弟子にそこまで言われて頼まれては、断れません。

「……かしこまりました。私で良ければ」
「おお!引き受けてくれるか、有り難い!礼を言うぞ……お前も、良いな」
「……ええ」

 兄弟子のにこにこ顔と裏腹に、若者は、なんでコイツなんかにと言いたげな、不満そうな顔をしています。

(ああああ……面倒くせぇ事、頼まれちまったねー)

 ビスカスは、さっさと手合わせを終える事にしました。
/270ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ