この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
セイドレイ【完結】
第23章 折衝

「──では、本人に聞いてみるとしますか?当事者が一番自覚していることでしょう。貴之くん…だったね?君は亜美と性交渉をしたことは認めているんだな?」

雅彦が、うつむいたままの貴之にたずねる。

「は…はい。認め…ます」

「どのくらいの頻度で?」

「…ほ、ほぼ毎日…です」

「──貴之っ!」

紗枝ははずかしめにあっているような気持ちになり、たまらず悲鳴にも似た声で息子の名を叫ぶ。

しかし、雅彦は詰問を続けた。

「──その際、一度でも避妊を試みたことはあるかね?」

「…ありません」

「それはどうしてかな?」

「…………」

下を向いたまま、黙り込む貴之。
この部屋に入ってから、貴之と亜美はまだ一度も目を合わせていない。

すると、紗枝が雅彦に食い下がる。

「──あの、お言葉ですが。そもそも、そのような行為を促したのは、お宅の亜美さんにも原因があるのではないかと…」

「ほう。すると、なんですかね。うちの亜美がお宅の息子さんを誘惑したとでも言いたげですが。どうなんだ?亜美」

亜美は、突如振られた質問に動揺し、言葉を返すことができない。

「──では貴之くん。君のご両親は、亜美が君を誘惑したと言っているが、そうなのかい?」

「…違います」


(水野くん…?)


「あ、亜美は…亜美さんは悪くない…です」


(水野くん…ダメッ──)


「──貴之っ…!ねえ、嘘よね?亜美さんにせがまれて仕方なくしたことなのよね??」

「紗枝…!やめないかっ!」

「だってあなた…どうしてっ…どうして貴之なのよ……ウッ…ウウッ──」

紗枝はどうしても想像ができなかった。
これは親ならみなそうなのかもしれないが──貴之がまさかそんなことをしでかす息子には思えなかったのだ。

年ごろではあるため、異性に関心があるのは理解できる。
しかし、心優しい子に育っていたはずの息子が、女性を傷つけるような無責任な行為を自ら進んで行うとは思えず、それにはなにか理由があるはず──という疑念を振り払うことができない。

俊之とて、内心は紗枝と同じ気持ちであった。
しかし、感情的になるのをグッとこらえ、ここはあくまで冷静に事実確認をしなければと考えていた。


/903ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ