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セイドレイ【完結】
第23章 折衝

「──そうです。まず、貴之君には『自主退学勧告』をさせていただきます。理由は私の方でどうとでも。退学処分になるよりは、自主退学にしておいた方が貴之くんの今後のためです。そしてもうひとつ…」

「もう…ひとつ?」

「亜美さんの目の前で、『自分がやったことは合意のない性行為だった』ことを認め、謝罪するのです。そうしなければ、亜美さんの傷が癒えることはありません。実際にこのあと、中絶という女性にとっては辛い現実も乗り越えなければならないのです。そのためには必要なことですから」

「ちょ、ちょっと…待ってください!先ほどから何度も申し上げておりますように…2人は交際していたんですよ?そもそも、貴之が亜美さんに乱暴した証拠なんてないじゃないですか!」

「あなたがそう思うならそれでいいんですよ?腹の中でどう思っていようが構いません。ただ、形として亜美さんとその保護者に対して、貴之くん本人の口から謝罪の言葉を聞きたい、それがこちら側の望むことなんですよ。それさえしていただけるなら、本来なら退学処分であるところを、自主退学に留めてもいいと言っている。貴之君が今後別の学校に編入する際、うちの退学理由は必ず照会されます。女子生徒を妊娠させて退学処分…なんて、貴之君の将来に影響があるかと…そうは思いませんかね?」

「そっ、そんなっ…そんなの…あんまりだっ……」

「お子さんのことを思うのであれば、ここは条件を飲んでおくのが賢明かと。さらに言えば、貴之くんの次の編入先は私が口利きすることもできます。これについては、雅彦が了承すれば、の話ですが──どうだ雅彦、なに問題あるか?」

「いや…とくに問題はない」

「──ということです。そして、こういうことは早い方がいい。もしこの条件でご納得していただけるなら──今日この用紙に一筆サインをお願いしたい。先々のことを考えると、これが最も平和的な解決になるかと。どうです?水野さん」

机に置かれた一枚の用紙。
俊之はそれをじっと見つめていた。
妻と息子の顔が浮かぶ。

父親として、愛する息子を守るためににはどうするべきなのか。

そんな苦渋の決断を迫られた俊之を、新堂は冷徹な笑みを浮かべて眺めていた──。


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