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セイドレイ【完結】
第24章 性夜の鐘

「──つべこべ言わずに、亜美のためにも言うとおりにしろ!まったく、本当にお前らは…先が思いやられる」

雅彦が頭を抱えていると、亜美が再び会話に加わった。

「──その…私としては、みなさんと暮らしていけたらって…そう思っています。だから、今日はそのきっかけって言ったら変なんですけど…」

亜美はそう言うと一旦席を立ち、ダイニングに置かれたチェストの影から紙袋を取り出した。

「これ…大したものじゃないんですけど…私からのクリスマスプレゼントです…。よかったら、受け取ってください」

クリスマス仕様のギフト包装がされたプレゼント。
亜美はそれを、雅彦、健一、慎二のそれぞれに渡していく。

「マジ…か…。開けていい?」

「も、もちろんですっ…!」

3人はそれぞれ、つつみを開けてプレゼントを確認した。

雅彦には、シックなデザインの本革があしらわれたサスペンダー。
健一には、落ち着いたネイビーを基調とした品のあるネクタイ。
そして慎二には、上下揃いのスウェットと、トランクスが3枚。

「──お父様は、いつもスラックスが下がってくるのを直していたので、サスペンダーにすれば気にしなくていいかな、と。健一さんは、スーツのときいつも同じネクタイをされていたので…私が似合うと思った色に。慎二さんは、普段着ているスウェットがだいぶくたびれていたのと…その…下着に全部どこかしら穴が空いて破れていたので……」

プレゼントを手にした3人は、亜美のその健気な心遣いに言葉を失っていた。

革がひび割れたベルトをずっと使用していた雅彦。
学生のとき買ったネクタイを1本で回していた健一。
ダルダルになったスウェットと穴の空いたトランクスを着用し続ける慎二──。

雅彦の妻である良枝が死んでから、家事の一切は家政婦の内藤がやっていたものの──男たちの身だしなみを気にかけてくれる者などこの家にはいなかったのだ。

亜美はどんな気持ちでこれらのプレゼントを選んだのであろうか。
自分を陵辱した男たちへこんな心遣いをすることに、果たしてなんの意味があるのか──その真意は分からない。

しかし、男とは単純な生き物である。

半信半疑だった健一と慎二であるが、もうすっかり納得してしまったようだ。

そして、事前に亜美の気持ちを聞いていた雅彦は、あらためてその覚悟を確認したのである──。


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