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セイドレイ【完結】
第25章 暗転
田中の部屋は、彼のこれまでの人生が凝縮されていた。
狭い空間を、好きな物で満たす。
物質や空想は、人間と違って、彼を否定しないし、裏切ることも無かったが、それで心まで満たされることは無かった。

布団を取り囲むポスターやフィギュアが、田中が男になる瞬間を見守っているようだった。

亜美のぷっくり盛り上がったワレメの入口に、肉棒の先端が入って行く。
すると、まるで中から引きずり込まれたかのように、ズルッと根元まで飲み込まれてしまう。

「あっ!?ああっ…出ちゃっ…出ちゃった!出ちゃったっ……ああああ………」

挿入しただけで、田中はいとも簡単に果ててしまった。
こんな極上のマンコで筆下ろしができたのだ。
35歳まで待った甲斐はあったのかも…しれない。

先程、トイレで口に出した時とはまた違った趣を味わうかのように、田中は射精をしながら腰をゆっくり前後に動かしては、亜美の膣肉を堪能していた。

無数にうごめくヒダの感触が、田中に衝撃的な快感をもたらす。

一方、亜美の方もカラダの疼きがピークに達していた。

今日、電車の中で中途半端に慎二の肉棒を挿入されてから、ずっと焦らされていたような状態が続いていたのだ。

そして今、田中のその鈍く拙い腰付きが、亜美を余計に焦がしていく。

「…田中さん……もっと……もっとぉ…」




その後、亜美の期待に応えるかのように、田中の性欲は衰えるどころかむしろ増していった。

射精を重ねる度に、田中は男としての自信を獲得し、より大胆に、激しくなっていった。

先程まで、胸を触ることすら躊躇していた男が、今や亜美のカラダを手荒に扱っている。
もうそこには、暗い影を落としていた中年童貞の姿は無い。

さらわれた亜美を探す際に田中が大量にかいた汗。
その乾いた臭いが、亜美から理性を奪っていく。
そして今、激しい動きに流れ出る汗をボタボタと亜美の顔や胸に垂らしては、亜美に『新しい男』の臭いを刷り込んで行く。

亜美のカラダは、とっくに田中のことを『男』として歓迎していた。

理屈ではない、この男との相性の良さを感じていたのだ。

しかし、頭ではそれを頑なに否定したかった。

その頭とカラダの乖離が、亜美に絶大な快楽をもたらしていた。
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