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嫁の貸し出し始めました
第10章 イヤイヤっ!無理絶対…。
ガタン…ガタンガタン……!!


駅のホームから
特急列車が滑り出すように走り出した。


美緒とクロガネが向かった先は
【海が見える絶景の湯】で知られている
月浜温泉。


『ねぇ。美緒さんは知ってます?月浜温泉って、別名【子作りの湯】らしいですよ』

列車に乗ってから
同い年ということもあり
しばらくは
他愛もないお喋りをして
盛り上がっていた
美緒とクロガネだったが
おもむろにクロガネが
さり気なく
隣り合わせに座っていた
美緒の手を握りながらそう美緒に囁いた


『確か美緒さん、今は安全日らしいけど… …もしかしたら、なにせ【子作りの湯】に一緒に入るんだから、タカさんには悪いけど… 美緒さん妊娠しちゃうかもよ』
と悪戯っぽく囁くと
ガラガラの車両内だったことをいいことに

クロガネは美緒の唇を
突然に奪ってきた。
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