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せめて、今夜だけ…
第11章 罰は蜜の味
頭ではわかってる。
魚月に優しくしたい…
こんな事しても魚月を困らせるだけだし、本当は魚月の幸せを願って身を引いた方がいいってこともわかってる。

それが見守る愛だということもわかってる。

だけど、俺は…、そんな完璧なものを愛なんて呼びたくない。
それが愛だと言うなら、俺はそんなものいらない。

俺はただ、魚月が欲しい。
魚月しかいらない。





見上げた夜空にはぼんやりと浮かぶ三日月。
怪しいその光、今の俺にぴったりだ。
歩むべき道がわからない。
闇に飲まれた今の俺にはぴったりだ。







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