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あらがわない夜を、あなたと
第4章 夜を理解するための痛み
ひとしきり強弱をつけて首をいたぶったのち、格は洗濯ばさみを2つ、そっと取り出す。

みなみに気づかれぬよう、それぞれを胸の突起に近づけていく。
激しく自己主張しているそれらに狙いを定め、一気に挟み込む。

「うぐっ…!」

釣り上げられた魚のように、みなみの身体が激しく飛び跳ねた。
あらかじめの覚悟をしたうえでの痛みと、突如のそれではまったく意味合いが違う。

みなみの脳内では、一瞬ひかりがさく裂し、乳首を針で刺しぬかれたような錯覚すら覚える。
その様子に、格の口角はますます上がっていく。

痛みを与えることで、痛みを与えられることで、相手のことをより深く理解していく

「もう1カ所、つけるから」

あらかじめ申告をするのは、優しさではない。
そう宣言することで、あからさまに震えだすみなみを見たいからだ。

格は狙いをさだめ、みなみのなかで一番敏感な部分、つまり豆に、ピンポイントかつ持続的な痛みを与えた。
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