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僕と彼のイルミネーション
第3章 不協和音
「挿れるぞ……」
「はぁっ……」
息を吐いた瞬間、塊が挿入される。
「んんっ……」
開かれた場所に、痛みが走った。龍も、息を乱している。
全てが収まるまで長かった気がするのは、初めてのせいだろうか。
「あぁっ……」
恋人同士ならセックスは当たり前でも、僕達はそんな仲じゃない。
狭い場所が、逞しい物に開かれる苦痛。これがセックスだなんて。もっと気持ち悦いものだと考えていた。
愛し合っていれば、また違うのだろうか。
優しさの欠片も無い、いきなりのセックス。酔っているからと、済ませられる事じゃない。
でももう遅い。ここまで来てしまったら、僕は耐えるしか無いと思った。
グラインドが始まると、苦痛に顔が歪む。僕の性器も萎えたまま。
「んんっ……」
部屋に響くのは、龍の息遣いだけ。
ただ人形のように諦めていた時、いきなり体が跳ねた。
「あっ……」
何かが、体の奥から湧き上がってくる。
「イイのか……?」
深くまで挿いった時に当たる場所から、熱が生まれてきた。
痛みとは違う。
これが、セックスでの“悦さ”なんだろう。そう気付いたが、受け入れたくない。
「あぁっ、んんっ」
甘い声も出したくなかった。でもどうしてか、その場所に気持ちが集中してしまう。
グランドを繰り返されると、自分が勃起しているのに気付いた。
「はぁっ、あんっ」
受け入れたくないと思っても、気持ち悦いのは確か。体だけが、どんどんと龍に煽られてしまう。
彼は店で、「体を売るような従業員はいない」と言っていたのに。
これでは、家賃の代わりに体を差し出すようなもの。それなら、客と寝たって同じ。
「あぁっ、んんっ」
そんな考えと体は裏腹。
恐怖はまだ拭えないが、僕は快感を受け止めてしまっていた。
「やぁっ、はぅっ」
アナルから、全身に熱が広がっていく。自分ではどうしようもない快感に、喘ぐしかない。
グラインドで擦られる入口まで気持ち悦いと感じてしまう。
「はぁんっ、あぁっ」
止まらない喘ぎ。自分の息遣いも荒くなり、性器は限界に来ていた。