この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
僕と彼のイルミネーション
第11章  イルミネーション


「何?」
「そのまま動くなよ」
 そう言ってから、彼が立ち上がる。
 いきなり、店内が真っ暗になった。
「龍?」
 窓も無い店は真っ暗な状態で、少し不安になる。
 その瞬間、室内のクリスマス用のネオンだけが点いた。
「え……?」
 戻って来た龍が、隣へ座って僕を抱き寄せる。
「悪かったな。イルミネーション、見せてやれなくて」
「え……」
「代わりになんねえと思うけど、これで勘弁してくれよ」
 確かに、街のイルミネーションを見てみたいとは思っていた。でも、そんなに引きずっていたわけでも無い。
 いつも営業中は薄暗いだけで、ネオンはそう目立つ感じゃない。真っ暗にした今は、まるでイルミネーションのよう。
「瑞希。これからも、よろしくな。なんて……」
「うん。僕の方こそ……」
 心からの返事。
 遠い街で出会えた奇跡。
 それも今では、運命のように思える。
 龍と出会う為に、僕は生まれてきた。
 長い時間をかけて会えた、掛け替えのない人。そんな彼から絶対に離れない。
 やっと手に入れた幸せ。この幸せの中で生きて行かれるなら、他には何もいらない。
「瑞希……」
 触れるだけのキスをすると、龍は珍しく照れているよう。
「龍……」
 僕からもキスを返した。
 彼は驚いた顔をしている。
 笑顔で、龍を見つめた。
 指先が触れて、自然と手をつなぐ。
 誰も見た事が無い、僕と彼だけのイルミネーションの中、強く抱きしめ合った。




 「僕と彼のイルミネーション」  終わり。



/75ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ