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第5章 有効ですか？

　朝七時頃、望結は潮田に電話した。
　笑顔のイヌ顔がよみがえる。電話はすぐにつながった。
『はい、潮田です。あ、安達さま、どうなさいましたか？』
「あの……、潮田さん……ま、まだ有効ですか？　潮田さんが私と……」
　自分の情けなさに涙が溢れた。嗚咽のような声になる。
『……ああ、……ええ、もちろん有効ですよ』と、潮田の笑う声が聞こえ、涙が溢れた。
『よろしいですか、今から伺っても……』