この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
舞い降りた天使
第7章 桜
「お母さん喜んでたね」

「うん!」

さっちゃんは
満足そうに笑った

「あのね」

「うん」

「さっきのお茶は
元気になるんだよね?」

「そうだよ」

「パパも飲んだら元気になる?」

え…

あんなに酷いことされたのに
パパのことを心配して
パパにもお茶を飲ませてあげたいと思ってるということか?

正直俺はショックを受けていた

いや、それは嫉妬かもしれない

けどそれをさっちゃんに悟られないよう
俺は必死で明るく振る舞った


「なるよー。
元気になるっていうか
集中できるって感じかなー」


「あのね
パパはお仕事いっぱいしてて疲れてるから
わたしとあんまり遊べないの。
だからパパにも…」


さっちゃんはそう言いながら
ノートを取り出し
メモを取り始めた

そのノートには
『ろうずまり』
の文字…


「タクニイどうしたの?」

幼いさっちゃんの健気な姿に
俺は思わず泣きそうになり
いや、一気に涙で目が潤んでしまい
急いで席を立って
さっちゃんに背中を向けた

「あ、さっちゃん
ローズマリーのハーブティ
僕もう一つ持ってるからプレゼントするよ。
すぐ持ってくるから待ってて」

「うん!」

そんな嘘をついて
俺は廊下に出ると
大きく深呼吸して天井を見上げた

健気な姿に泣けたのか

それとも
自分の幼い頃を思い出したのか…

やっぱり
俺の入る隙は無いと感じて
泣きそうになったのかどうかはわからないけど

その時俺は猛烈に泣きたい気持ちと
妙な敗北感を感じていた


/337ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ