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舞い降りた天使
第7章 桜


そして翌日


昨日と同じ手順を踏んだ俺とさっちゃんは
休憩室で待機中

今日のさっちゃんは
遊び道具も持参で
準備万端だ

そして今日もまた
2人で色んな話をしながら
時間を過ごしていた時のこと

「タクニイ…」

さっちゃんが
ランドセルから何かを取り出そうとした時
突然俺の名前を呼んだ

「ん?」

「これ、好きなん?」

えっ?…関西弁?

「これってミサンガのこと?」

「うん」

「そのミサンガは
とっても綺麗で好きだよ」

「わかった」

「さっちゃん
なんでそんなこと聞いたの?」

「だってね
タクニイこれ何回も見てたから」

そっか(苦笑)
そんなに俺
ミサンガのこと見てたんだ

あ、てゆーか

「さっちゃん
さっき『好きなん?』って
言ったよね」

「うん」

「関西弁なの?」

今思えば
昨日の会話の中でも
少しイントネーションが
関西系なところがあった
でもそれは
幼さからくるものなのかと思ってたんだけど…

「パパがカンサイベン。
パパが『好きなん?』って言うの」

なるほど
真穂の旦那は関西の人か。

さっちゃんの関西弁は
なかなか可愛らしくて
もっと聞きたかったけど
その関西弁は
俺に真穂の旦那を連想させた

俺は今まで
旦那のことを真穂に聞いたことがない
背が高いのか低いのか
太ってるのか痩せてるのか
年齢さえも知らない

それは
意図的に聞かなかったのかも…

旦那を連想する情報を
俺は拒否してたのかもしれないと思った


「あ、そうだ。
お母さんにお茶入れてあげようか」

「お茶?」

「そう。
ハーブティって言うんだけどね
お仕事少し疲れてきたと思うから
元気になるローズマリーを入れてあげようと思うんだ。
どう思う?」

「喜ぶと思う」

「じゃあ一緒にいれようか」

「うん!」

俺は
さっちゃんに手伝ってもらいながら
頭の冴えるローズマリーのハーブティをいれ
静かにさっちゃんと
真穂のところまでお茶を運んだ

真穂は喜び
もちろんそれを見た
さっちゃんも笑顔

そしてすぐに
邪魔しないよう俺とさっちゃんは
手を繋いでまた休憩室へと戻った
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