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舞い降りた天使
第11章 覚悟

しばらくすると
さっきとは打って変わって
猛烈に不機嫌そうな姉ちゃんが
俺の元に戻ってきた

ヤバいパターンだ…

「巧」

「な、なに?」

「どういう関係?」

「は?」

「は?じゃないでしょ?!
誤魔化さないでちゃんと説明しなさい」

最悪だ
多分姉ちゃんは
完全に不倫を疑ってる

「徳永さんはただの同僚だよ」

「なんで休みの日に同僚と一緒にいるのよ」

「仕事してたんだよ」

「桜ちゃんを友達に預けて逢引?」

「姉ちゃん!」

「大きい声ださないでよ」


「あ…ごめん…」


具合の悪い人もいる病院で
俺が思わず声を上げてしまったのは
姉ちゃんの
『友達に預けて』
というフレーズだった

姉ちゃんに
真穂が悪い女だと
言われてる気がした


「ちょっと外に出て」

「…うん」


姉ちゃんの後を追って
病院の外に出ると
姉ちゃんはまた俺を睨みつけた


「そんなんじゃねーよ」

「ほんとに?」

「あぁ」

「駿太が心配してたわ」

「あいつ…」

姉ちゃんには
内緒だって
あんだけ言ったのに

「年上の人って徳永さんじゃないの?」

「……」

「結婚、してるわよね、あの人」


「……」


「巧…」


「何もねぇよ」


「……」


「ただ相談とかにのってるだけ」


「ほんとに?」


「あぁ」

ほんとに
やってねーし。

ていうか
やれなかったし。

まぁ
やれなかったけど
…やる気だったけど。

やってなくても
俺は真穂が好きだけど。

ほんとは



大好きだけど。
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