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舞い降りた天使
第12章 通告

「巧くん…」


「ん?」


「なんだか…怖くなっちゃった」


「何が?」



「やっぱり…

私がいけないことしようとすると
バチが当たるみたい」


「何言ってんだよ。
真穂は何も悪いことしてないし
バチなんて当たってないだろ?」


そう言いながら
真穂の髪を優しく撫でてやると
真穂は

「巧くん具合悪くなっちゃった…」

って言いながら
ぎゅーっと俺に抱きつき
そして
まるでキスでもせがむように
俺を見上げた

「風邪ひいたのは
真穂のせいじゃないよ」

「…そうなのかな…」


「真穂…キスしたい

てかもう
我慢できない

風邪、うつったらごめん」


邪魔くさいマスクを外し
なんだか悲しそうな真穂を包み込むように
俺は真穂に唇を重ねた

「…っん…」

真穂の抵抗は無かった

冷んやりとした真穂の舌は
まるでそれを待ち望んでいたかのようだ

真穂の
柔らかく甘い舌先
そして愛している人としか味わえない
とろけるような時間

俺たちは
こんな場所で
濡れるほどのキスに溺れていった

愛おしい

真穂が愛おしくてたまらなくて
握りつぶしたくなるほど好きだ

俺のものにしたい


どんなことがあっても


「も…たく…」

苦しいほど濃厚なキスを降参したのは
キスに弱い真穂だった

「倒れそう…」

真穂は唇を離すと
熱い息を吐きながら
俺の胸に頰を埋めた

そんな真穂を抱きしめながら
俺は思った

やっぱり
俺に癒されたいと言ったのは
あの日だけのことじゃなかったんだ

この先もずっと
俺に癒されたいと真穂は思ってる
だから今日もキスを…


「好きだよ、真穂。
可愛いくてたまらない。

俺は真穂を
さっちゃんを
助けたくてたまらないんだ」


俺、覚悟決めたから


「じゃあ…お願い聞いてくれる?」


「いいよ、なんでも言って」


「お昼休み部屋に行くから
だからもう帰って休んで。

その時
ちゃんと相談するから」


「…そっか…うん、わかった。
待ってるよ」
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