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舞い降りた天使
第15章 真実
side 真穂



実の父親じゃなく
巧くんが
桜のことを一番に心配してくれるなんて…

私は久しぶりに触れた
巧くんの優しさに
涙が溢れた

でも
早く本当のことを伝えないと…

巧くんは
泣き出してしまった私の肩に触れながら
心配そうな顔をしていた

「ちっ違うの…っさっちゃんは、大丈夫」

「 ほんと?」

「…っん、ほんとに…元気だから」

「よかった…」

巧くんはそう言いながら
心底ホッとしたように脱力して
それから私の目をジッと見つめた

「じゃあ真穂は?」

「……」

「元気じゃ…ないよな」


元気なんかじゃなかった
でも本当のことを伝えて
巧くんに
心配をかけるわけにはいかない

どう答えればいいのか迷っていると
巧くんは
私の頬の涙を優しく拭いながら話を続けた


「真穂のことも心配で心配で
どうしようもなくて…
でも電話じゃ何も話してくれないから
会いに来たんだ」


私が
電話なんてしたから…


「…電話なんかかけてごめんなさい。
巧くんに連絡する資格なんて無いって分かってたのに
私…」


そう言うと
巧くんは私に
優しく微笑んで見せた


「何言ってんだよ。
俺は電話もらって嬉しかったよ?
真穂が俺の番号
覚えててくれたことも嬉しかった。
今ここに真穂が居ることも
嬉しくてたまらないんだ」


「……巧くん…」


「真穂…」


「……」


「…ずっと会いたかった」


その言葉が終わる前に
私は巧くんの
腕の中にいた

巧くんの優しくも強く抱く腕は
あの時と変わらない

心が溶けてしまいそうな
その感覚に
このまま溺れたくなる

好きよ
ずっと好きだった
忘れたことなんて
一度もなかったの

「真穂…
嫌ならそう言ってくれ」

優しい巧くんの
そんないじらしい言葉がたまらない

嫌なんかじゃない
ずっと抱きしめられたまま
離れたくない

「真穂…」

巧くんは私の名前を呼び
唇で私の頬をくすぐると
その唇を
ゆっくりと私の唇に近づけてきた

巧くんとのキス…

巧くんに
…されたい

あの日のように

でも…


「待って」


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