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舞い降りた天使
第17章 決戦

「徳永さんに
聞いてもいいかしら」

姉ちゃんのその言葉で
俺の心音が一気に跳ね上がった

「…はい、何でも聞いて下さい。
そのために来たので…」

真穂は緊張してるのか
顔が真っ赤になっていて
なんだか…
申し訳ない気持ちでいっぱいになる

「ありがとう。
でもごめんなさいね?
弟が誰とお付き合いしてるかなんて
本当は口を出すつもりなんてないの。
でも…
不倫なら話は別」

「姉ちゃん!」

不倫という言葉を
安易に使って欲しくなくて
思わず俺は口を挟んだ

不倫に…間違いはないんだけど

「徳永さんと話をしてるの。
離婚を考えてるなら尚更大事な話よ。
離婚した私だから話せる話もあるの。
邪魔するなら
巧も駿太の部屋行ってなさい」

「……」

姉ちゃんの剣幕に押され
俺は口を噤んだ

「私はね
徳永さんが離婚することに関して
とやかく言うつもりはないの。
徳永さんが離婚したいのなら
すればいい」

「…はい」

「ただ
巧に迷惑をかけないようにして欲しいの。
意味、分かる?」

「はい…私も迷惑だけはかけたくないと思っています。
こうしてここに居ること自体
もう…ご迷惑をかけてしまってるんですけど」

「じゃ、話しは早いわね。
ご主人、巧のことは知ってる?」

「いえ…知りません」

「じゃあ
今、ここにいることも?」

「知りません。
栗原くんのことは
知られないように注意していたので」

「今頃探してるんじゃないの?」

「それは多分まだ…。
私は今実家に帰っていることにしているんです。
主人は私の実家と折り合いが悪いので
実家にはなかなか連絡はしないと思います。
もし主人から連絡があったら
実家から栗原くんの携帯に連絡するよう頼んであります。
もちろん
主人には内緒で」

「どうして…巧の携帯に?」

「携帯は捨ててきました。
見つかっても大丈夫なように
栗原くんの情報は消しています」

「…そう」

「なので…明日
引っ越し先を探します。
すぐに見つからないようなら
ホテルに泊まります。
主人が興信所に連絡したりする前に
ちゃんと…するつもりです」
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