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舞い降りた天使
第17章 決戦

「えっちょっと待てよ。
ちゃんとって何。
ホテルなんか泊まらなくても」

俺は
聞いたことのなかった真穂の考えに驚き
咄嗟に口を挟んだ

でも真穂は俺の方を見ようとはせず
姉ちゃんを見つめたまま
話を続けた

「できるだけ早く…
不倫ではない形に…」

「そう、わかったわ。
色々話してくれてありがとう」

「いえ…」

不倫じゃない形になるのは
俺だって大歓迎だけど
離婚ってそんなに簡単な事じゃないだろ?
姉ちゃんも分かったとか言って
二人で納得し合って
いや
納得してくれてんのはいいけどさ
どうせそれはただのポーズで
これから姉ちゃんは
反撃するんだろ?

俺はそう思ってたんだけど…

「巧」

「な、なんだよ」

「反対する理由は前にも話したけど
それでも今徳永さんがここに居るということは…そういうことなのよね」

そういうこと

それは
姉ちゃんが反対しようと
俺に真穂と別れる気は無いってことだ

「うん。
俺は姉ちゃんが反対してるとか
そんな理由で絶対に
真穂と別れるつもりはないから」

そう言うと
姉ちゃんは大きなため息をつき
それを見た真穂は
俺と一瞬目を合わせて視線を落とした

「徳永さん
姉ちゃんの言うことは
気にしなくていいから」

「……」


それから数十秒
誰も話さず
物音ひとつ立てない時間が過ぎた

そんな時間が居たたまれなくて
『話が無いならもう帰る』
そう言いそうになったその時
姉ちゃんが
椅子の背もたれにもたれかかって
またため息をついた


「もっと早く知りあってれば良かったのにね」


「え?」




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