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舞い降りた天使
第19章 別れ

「徳永さんから連絡あった?」

俺に話しかけたのは
俺の部屋で
俺のゲームをやってる駿太だ

本人に会ってから
「女」と呼ぶのは辞めたらしい

「連絡はある」

今日は塾をサボり
俺の部屋でスナック菓子を食べながら
ゲーム三昧中だ

「連絡はあって
何がねーの?」

「連絡以外全部だ」

「何だよそれ」

いや
ゲームは言い訳で
こいつは
俺を心配して来たか
姉ちゃんに様子をみて来るように
言われたんだ
多分

「連絡あんのは公衆電話からで
俺からは連絡できねーし
会えないし
触れねーし
セックスもねー!」

そう
俺がこんな風に愚痴れるのは
駿太だけだからだ

「タクニイ忘れんなよ?」

「は?」

「俺、中二。
セックスとか簡単に言うなよな」

「ダチと毎日
セックスセックス
言ってる奴が何言ってんだよ。
てか
なんでお前はまだ中二なんだよ!」

そう言って枕を投げつけると
駿太は
倍以上の力で枕を投げ返してきた

「このやろー
姉ちゃんにサボってんのバラすぞコラ!」

「大人の欲求不満はこえーー。
てか
そんなにセックスっていいのかよ。
俺もやってみてーーーー!」


狭い部屋で
欲求不満の男二人
大声で叫んだあとは
妙にしんみりとなって
顔を見合わせた


「タクニイ」

「ん?」

「あの子…」

「さっちゃんか?」

「うん」

「元気かな」




「うん」



「なんか会いてーな、あの子に」





「俺も会いてー」




「うん」

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