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舞い降りた天使
第20章 返信

side 巧


プルルルル…

あ、真穂から電話だ

「もしもし」

「私」

「うん、わかってるよ。
待ってた」

「あ、ありがとう」

「早速代わる?」

「うん。
じゃあ、よろしくね」

「任せて」

今日最初に真穂から電話があったのは昼休み中

その電話は
夜、電話をかけてもいいかというものだった

それから
今日学校を休んでいるさっちゃんが
俺と話をしたがっているから
電話で話をしてもらえないか…と。

もちろん俺は二つ返事

気になっていたさっちゃんと話しがしたかったのは俺の方だし
学校を早速休んでしまったと聞いて
更に声が聞きたくなっていた

そして俺は真穂と
電話をかける時間を約束したんだ

「…もしもし…」

少し久しぶりだからなのか
電話の向こうから聞こえるさっちゃんの声は
とても小さく遠慮がちだった
顔も少し俯き加減
明るく大きな声で元気付けたいところだけど
駿太と少し似ているさっちゃんには
違う対応の方がいい気がして
俺はいつものトーンで優しく話しかけた

「もしもし、さっちゃん?」

「うん」

「話すの久しぶりで
俺、なんかちょっと恥ずかしいなぁ」

「クスッ」

笑う時に
口元を手で隠すのは相変わらず
さっちゃんは
俺の言葉に
クスクスと笑いながら
隣でしゃがみ込んでいる真穂と目を合わせた

そんなさっちゃんの笑顔に
真穂も笑顔になり
さっきまでの2人とは別人のよう

よかった
笑ってくれて

よかった
元気そうで

よかった

遠くからでも
2人を見ることができて
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