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舞い降りた天使
第20章 返信

そう
俺は今
公衆電話で俺と話をしている2人を
少し離れたところから見ている

真穂が使う公衆電話は
決まって公園か
このショッピングモールだ

今日はもう外は暗いから
公園ではなく
ショッピングモールから電話するだろうと予想し
俺は2人に見つからないよう
ここに待機していた

俺に全く気付かず
楽しそうに電話をしている2人を見てると
今すぐ駆け寄って
2人を抱きしめたい衝動に駆られるけど
俺はそれを必死で堪えながら
さっちゃんとの会話を続けた

「そういえば
さっちゃんがくれたミサンガ
ちょっと細くなってきたよ」

「えっほんと?」

「うん。
糸が切れちゃったのもあるんだ。
これって切れたら願いが叶うんだろ?」

「うん!」

さっちゃんは
真穂と目を合わせ
嬉しそうだ

願いが叶うのは
さっちゃんじゃなくて
俺の方なのに

可愛いな…

「じゃあめちゃくちゃ楽しみだなー。
それでもし切れちゃったら
また作って欲しいな。
そしたらまた願いが叶う」

「うん、いいよ。
今度は好きな色聞いて
それから作るね」

「じゃあ色を考えとくよ」

「うん」

そんな風に
俺は
一言も学校の話をしないまま
他愛もない話を続けた

わかってるんだ

学校に行けないことを
申し訳ないと思ってることも
学校に行きたいと
思ってることも
行かなきゃと
思ってることも

だから

頑張って行ってみようなんて
言えないよ

そう思ってんのに
行けないんだから


そして
そのことで自分を責めてる真穂のことも
俺はよくわかってるよ

慰めてあげたい
思い切り
泣かせてあげたい
どんなことでもしてやりたい

俺は
遠くに見える2人を見つめながら
ぎゅうっと拳を握りしめていた

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