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舞い降りた天使
第5章 嫉妬


徳永さんの返信が遅かったのは
迷っていたからなんだろう

もしかしたら
重いと思われたのかも知れない

けどそれでも
俺は…

「もしもし…」

「…もしもし」

すぐに
電話をかけた


「ごめんね?
もう…寝るところだった?」


「ううん…なんだか眠れなくて…」


俺もそう
このままじゃ
眠れない


「旦那さん…出張なんだ」


「そう」


「よくあるの?」


「うん…」


徳永さんの旦那は
出張で週末居ないことも
多いらしい

それは
徳永さんにとって
喜ばしいことではないかも知れない

それなのに俺は…


「あ、そうだ。
さっちゃん
今日驚いてた?」


「うん!
すごくびっくりしてたけど
すごく喜んでた」


「じゃあ良かった」


「うん。
でも残念ながら
パパが居ないから
寂しそうだったけど」


「さっちゃんは
パパさんのこと
大好きなんだね」


「うん。
今はパパにプレゼントするって
楽しそうにミサンガ作ってるの」


…そうか

そうだよな

俺は
何考えてんだよ
そんなの当たり前だろ?

わかってる

徳永さんやさっちゃんの望みは
家庭円満

俺がやるべきことは
徳永さんが壊れてしまわないよう
支えるだけ

そう頭ではわかってるのに
どうしても心が追いつかない

そう…嫉妬だ

今俺は
徳永さんの旦那に嫉妬してる

だから
こんなこと徳永さんに
聞いてしまったんだ

まるで
その嫉妬を晴らすように


「じゃあ徳永さんは?」


「え?」



「徳永さんは

旦那さんのこと好き?」


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