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舞い降りた天使
第5章 嫉妬

「…っ…んっ…」


その犯罪に
ストップをかけたのは

真穂だった


どのくらい
キスをしていただろう

キスに没頭する俺の腕を
真穂が強く握ったんだ

ハッとして
キスを止めて
真穂の顔を見ると
真穂は
虚ろな目をしたまま
肩で息をしていた


「…大丈夫?

というより……ごめん」


真穂は
ゆっくりと目を閉じて
首を横に振ると
小さな声で呟いた


「ちょっと…待って…」


真穂は
目を閉じたままだった

そんな真穂を
優しく抱き寄せると
真穂の身体は熱く
そのまま寝てしまいそうなほど
ぐったりとしていた


「平気?」


「…ん…ちょっと…」


「うん」


「ドキドキして…」


可愛いな…このくらいで

まぁ俺も
かなり興奮してたけど

いや今だって
かなり
興奮してるけど


「俺、ロールキャベツだって言ったろ?」


「……そうだったね」


「怒ってる?」


「ううん…怒ってない」


「真穂は悪くないから」


「……」


「俺が強引に
変なことしただけで
真穂は浮気したわけじゃないから」


「……」


「真穂は被害者だから」


「そんな…」


そう言って
真穂は
俺の腕の中で
俺を見上げた


「それでいいんだ。
俺が悪い男で
真穂を襲ってるだけ」


「巧くん…」


「いつ?」


「え?」


「旦那とキスしたの、いつ?」


「……覚えてない」


そう言われて
黙ってる男はいない


「俺、聞かないから」

「えっ?」


キスしていい?
なんて聞いて
いいよって真穂が言ったら
それは浮気になる

だから
聞かない


「キスだけだから…」


そう言って
目を泳がせて戸惑う真穂に
俺はまた
熱く濃厚な罪を犯した


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