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舞い降りた天使
第5章 嫉妬


そしてしばらくして
『キスだけ』と言ってしまった俺は犯罪を終え
そして
キスのその先に進めないまま
そう
猛烈にムラムラしたまま
真穂の肩を抱いて
呼吸を整えた


真穂も
俺も
しばらく黙ったままだった


真穂は今
何を考えてるんだろう…


俺は
心も身体も
少し落ち着いてくると
やってしまった
という感情が湧き上がっていた


真穂がたまらなく好きで
後悔なんか全くしてないけど
いけないことをしていることくらい
俺だって分かる

これが
真穂を助ける
ベストな方法ではないことも…。


「真穂…」


嫌なら嫌だと言ったくれ
と、言った方がいいんだろうか

もう一度
謝った方がいいんだろうか…

そう
心の中で迷っていると

真穂が
ゆっくりと
話しはじめた



「もう、謝らないでね」


「えっ…」


「うまく言えないけど…
嬉しかったから」


「……」


「でもお願いがあるの」


「何?」


「もう無理しないで…」


「無理?」


「感謝してるの。

私…寂しくて

さっちゃんが居て
毎日幸せだけど

でも…寂しかった

だから優しくしてくれる
巧くんに甘えちゃって…
でも
こんな私のために
無理しないで…」


「何言ってるんだよ
俺は無理なんかしてない」


「じゃあどうして?
私綺麗なんかじゃないし
こんなにも年上で
無理しないとこんなこと…」


好きだからにきまってるだろ?
そう言えたら
どんなにいいだろう

ほんとは
もっと色んなことしたいって言えたら
どんなにいいだろう


「同情して可愛そうだから
嫌だけど無理してハグしてキスしてるって思ってる?」


真穂は
黙ったまま
小さくうなずいた


「そうじゃないよ。
そうしたかったからしただけ。
ごめん
うまく言えないけど
とにかく
無理とか全然思ってなくて
むしろ…」


「……」


むしろ…

なんて言えばいいんだよ…



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