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舞い降りた天使
第6章 裏切り

「ハーブティ
入れ直そうか…」

そう言ったのは
やっと落ち着いた真穂だった

「今度は私が入れるね」

真穂は
さっきまでのことが
何も無かったように
明るく振る舞い
やっと俺に笑顔を見せてくれた

『友達』という空気を
出してるつもりなのかもしれない

じゃ
俺も友達らしく、楽しく

「そうだな!
真穂に初めていれてもらう
記念のハーブティだ」

「そんなこと言われたら
緊張しちゃう」

俺は真穂と一緒に
キッチンに立ち
ポットやカップ
ハーブティの場所を説明した

「どれをいれればいい?」

たったそれだけの会話なのに
今日も相変わらず
薄化粧の真穂が
可愛くてたまらない

「なんでもいいよ。
記念のハーブティだから
真穂が選んでよ」

「やだやだ
効能とか全く分からないから」

クスッ(笑)
ちょっと焦る真穂は
素になってて
可愛い

「大丈夫
どれも悪いものじゃないよ。
名前見てフィーリングで
決めてみれば?
俺はあっちで待ってるから」

「…じゃあ…わかった」

俺が真穂の恋人なら
もう
この数分で
10回はキスしちゃってるな

そんなことを考えながら
俺はソファに腰を下ろし
キッチンに居る真穂の背中を見つめた

小さな背中だな…

いつから
そんな小さな背中に
色んなもん背負ってるんだよ…


「お待たせ」

「ありがとー!」

「巧くんみたいに
うまくいれられないけど…」

「いや
多分真穂の方がうまいよ
お母さんなんだから。
あ、で、ハーブは
何を選んだの?」

「あ、えーっと
シャ…シャバリ…」

えっ?マジ?(笑)

「もしかしてシャタバリ??」

「それ!」

「マジかー(笑)」

「え?なに?だめ?」

「あはは(笑)
ダメなんかじゃないよ。
俺、これすごく好きなんだ」

「それなら良かった」

ホッとした真穂と
二人でシャタバリを飲み始めると
俺は心の中で
ニヤリと笑った

そう

シャタバリの効能を
真穂が知らないからだ

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